人の動線を計画する

動線を計画する際のヒント

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動線計画において、作業者は各作業区域に直接到達できることが理想です。あるいは、人も物も清潔区から汚染区へのワンウェイとして計画するケースも場合によっては運営していける可能性はあります。注意しなければならないのは、人や物は行ったら帰るということです。入りは清潔区から汚染区へとですが、帰りは汚染区から清潔区へとなります。
新工場を計画する際などは、作業者を始業時に各作業区へワンウェイで誘導することは意外と簡単に計画できますが、作業後に交差無しに退室させる計画は難しいことです。

 

動線計画の手順

交差する動線となっている施設はどの様に衛生改善を試みると良いか。

 

 

その前に、合理的な思考法とは何かを確認しておきましょう。

 

「問題を明確化する」→「その原因を究明する」→「解決策を策定する」という3つのプロセスをたどります。平たく言えば「何が問題なのか」、「なぜ問題なのか」、「どうしたらよいのか」ということです。
そのプロセスは、
・衛生施設の不備となる現状の把握
・整理
・整備方針の決定
・優先順位を決定する
・工程作成後、工事を実施し設備を配置する
という流れとなります。ここでも平たく言えば、
「どこに問題があるのか現場をみる」
「なぜ問題なのかを整理して」
「解決するためには、どうするかを決めて」
「何から手を付けるか順番を決めて」
「工事にかかる」
ということです。


 

計画を難しくしているのは、作業者や物の帰路の動線に交差汚染の可能性が有るこということです。ただ本当に交差汚染の危険性が存在するのでしょうか?
時間的にも短時間の通過であるし、部屋の片隅を通るだけだからそう目くじらをたてて神経質に考えなくても交差汚染の危険性なんて100%と無いとまでは言えないにしても確率は低いのではという考えを持たれている方は少なからずおられることでしょう。
汚染区の作業者が清潔区で作業中の友人に今晩の食事の約束を取り付けに行ったりすることが決して無い様に決めたことを守るという従業員教育が万全かつ徹底されているならば、リスクは低いと考えます。しかし低いだけで汚染の可能性を否定することは到底できません。作業服や履物に付着した菌などにいつ汚染されるか分かりません。

 

動線の問題点は作業者が服や履物に付着した可能性のある菌などを清潔区に持ち込む可能性がある事です。解決策として考えられるのは、汚染区の作業者は完全にシャットアウトするか、清潔区への入場前にはサニタリー施設を完備することが、一つの解決策になります。また、ゾーニング・動線の計画例としは、帰路に廊下を利用するゾーニングと動線である。手洗い・靴洗いを行いエアシャワーを通過する手続きにより清潔区へ入室し、汚染区へは廊下を経由し入退場するという動線である。動線を計画する際に廊下を利用して作業者を誘導するという手法は参考になる。

 

履物管理で動線計画

 

清潔区・準清潔区・汚染区の3つのゾーンの作業者は共通の廊下を歩行している事になり、清潔区・準清潔区の作業者の履物は汚染されている危険性は存在します。施設のスペースからやむを得ずこの様な動線となる場合は、必ず履物の洗浄設備を設置するか、履き替え行うようなルールを定める必要があります。また準清潔区の作業者はできるなら廊下へ直接出すのではなく、一旦サニタリーエリアへ戻させたのち廊下を歩かせる動線が薦められます。但し清潔区を経由することなく直接サニタリーゾーンへ戻す必要があります。

 

廊下等の利用がスペース的に無理な施設の場合はどのような改善を施すと良いのか。それは汚染区の作業者が清潔区へ入場してもなんら汚染の心配が無いようにすれば解決策を見出すことです。

服・履物を変え粘着ローラーで付着物を除去し、手洗い消毒を済ませれば入場も可能と考えられます。ゾーンを変わる際にこの様な手続きを踏めば人の動線においてなんとしてもワンウェイが実現できないケースの対策として採用してみても良いのではと考えられます。

 

 

 

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